初レッスン

今日からプレコース(2歳〜3歳対象)のレッスンを開始。前に教室を一度訪問しているKくんは、のっけから元気いっぱいで、カラーペンのセットを抱え込み、「お絵かきしたい!」の一点張り。お母さんは遠慮なさっていたけど、初回だし、まだ他に生徒さんがいないクラスなので、英語で声をかけながら、Kくんのペースにゆっくりつきあってあげた。別のお稽古ごとの直後に来るので、ちょっとリラックスしたかったのかもしれない。実際、ホワイトボードにぐるぐる絵を描かせたら、少し気が晴れたみたいだった。次は大きな紙を用意して、英語のお絵かき歌をやってみようかな。

わたしも覚えがあるのだけれど、働く母だと、どうしても土曜日にいろんなレッスンが集中してしまう。だからこそ、こちらはゆったりと構えてあげたい。英語教室の目的は教師があらかじめ定めた「カリキュラムをこなすこと」ではなく、生徒の「英語力をつけること」なのだから。お絵かきを通じてだって、英語の声かけや単語の刷り込みはできる。

それに、3歳というのは微妙な年齢でもある。実際、Kくんは教室にいるあいだじゅう、ほとんど英語を口にせず、日本語で受け答えしようとしていた。お母さんいわく、家ではけっこうビデオの真似などしているらしいので、よく分からない英語でばかりしゃべりかけてくる教師に対するKくんなりの小さな抵抗なんだろう。親御さんはつい「これくらい知っているはずなのに……」という焦りから口出ししてしまいがちだけど、全然問題ないよ、と言いたい。

幼い頃に、無理に英語を口にさせることは、意味がないばかりか、むしろ弊害があるのではないか……と、わたしは考えている。くもんの塾をやっていたわたしの叔母は、自分の子どもたちに1歳から英単語を教え込み、「お月さまを見てMoonと言った!」などと喜んでいたけど、結局3人いた子どもたちの誰も英語は得意にならなかった。英語の単語と日本語の単語には、意味上のズレがある。だからこそ、仮に英語を入れたとしても、同時並行的に日本語も学んでいく幼い頃にはなおのこと、一対一対応で単語を暗記させるのは、あまり良くないことだと思う。

時間がなくなったので、なぜそう考えているのか……続きはまた今度。