セミナー第3期2回目が終わって

とりあえず3期2回目が終了。追加開講も含めると4回目の授業。そろそろ講義内容も見直さねば。

講義終了後に,子どもに年少さんから英語を3年間学ばせているというママから,「そろそろアルファベットを学ばせてもいいのだろうか」という質問が出る。それは現時点でのその子の英語の入り具合,どんなことをどんな形で学んできたかによるので,年齢と学習年数だけでは何とも言えないと答えた……のだが。

あとになって彼女がなぜ,そういう疑問をもったのだろうと考えてしまった。たしか,今,学んでいる先生は最近アルファベットの書き方を教え始めたと言っていた。アウトプットを焦る必要はないと,わたしは常に強調しているから,あまり早く始める必要はないと思ったのだろうか? それとも,その先生のアルファベットの導入のしかた疑問をもったのだろうか?

最大の判断基準は,その子が楽しんでやっているかどうか,だと思う。小さいうちは,いやいややらせることになるなら,やめておいたほうがいいというのがわたしの持論だ。

そう考える一方で,自分の子どものことを考えてしまう。彼女は算数に苦手意識をもっているので,計算のドリルなんかを極力後回しにしようとする。だから,つい「早く終わらせなさい」と口出ししてしまうことになる。「今,やっておかないと後で困るよ」と。わたしが英語では極力避けようとしている「強制」を,算数ではしっかりやっているのだ。

だけどそこで,ふと気づく。算数は3〜4年生で急激に難しくなると聞いている。だから「それまでに間に合わせなければ」という意識がある。そこで落ちこぼれると,その後ずっと算数・数学に苦しむことになると聞いているからだ。

一方,金沢の小学生は3年生から英語を学ぶのだが,小学校のうちの“英語活動”は,いわゆる詰め込み式ではない。学校や指導者にもよるようだが,小学校のうちは文字を書くことを全く教えないケースもあるようだ。そうだとすれば,一年生の子について,アルファベット書きをそんなに焦る必要はないかもしれない。まだまだ間に合うからだ。

ある程度,英語を学んだ子どもに対して,わたしは書くことよりも,読むことのほうを優先させている。フォニックスやサイトワードを導入していくことで,まずは簡単なものから自読できるようにもっていくのだ。可能なら,いずれそれを多読につなげていきたい。最近は,クラス内でミニプレゼンテーション(他の生徒に対して自分が読んできた本のなかからよみきかせすること)を行わせている。これはけっこう好評で,少しずつ文字や単語が読めるようになってきているという実感がある。なかなか口を動かさなかった子も,みんなの拍手を浴びることで,自分は「読める!」との自信で輝きだし,「次の本」を求めるようになる。

ここで難しいのは本選びだ。年齢も英語力はほぼ同じなのに,サイトワードを学ぶための簡単な絵本に見向きもしない子もいれば,飛びつく子もいる。完璧主義の子には,2歳から通っていた某スクールで使用していたテキスト(ほとんど赤ちゃん用絵本)をプレゼンテーションさせたり,チャレンジ精神溢れる子には,まだ読めてない(だけどその子が好きな)本をプレゼンの場で教えながら読ませたり。どうすれば生徒たちが,自ら英語を求めるようになり,英語に触れる時間が伸びるものか……一人一人子どもは違うので,この模索に終わりはない。