この機会に,泉野イングリッシュの理念について,少しお話ししようと思います。うちの教室では,子どもだけでレッスンを受ける年齢になっても,子どもだけが「勉強」し,大人は知らんぷりというのを許しません。

大人は自分がやらないこと,やりたくないことを,子どもに強制すべきではないって思うから。

もちろん,すべて一緒に学ぶということは,時間的に無理だという大人がほとんどでしょう。だけど,お子さんに英語力を付けてほしいと心から望んでいるなら,せめて家庭でも英語を学べる環境を,ご家族で一緒に作ってほしいのです。なぜって,一週間に1度,1時間程度のレッスンだけ受けていても英語はなかなか上達しないしないからです。

本気で子どもに英語を学ばせたいと思うなら,主たる学びの場は“家庭”だと考えるべきでしょう。なぜって,スクールにいる時間より,家庭にいる時間のほうがはるかに長いのですから! スクールは,1週間,家でやってきたこと(小さいお子さんにとっては“遊んできた”こと)を“みんなで再現する”ことで,学んだ内容の定着を図る場なのです。

わたしの教室で,オックスフォード大学出版会のORTOxford Reading Tree)、スカラスティック社やCTP社など定評のある出版社の英語絵本を副読本として採用している理由のひとつは,家庭で英語に触れる時間を少しでも増やしていくためです。教室の子どもたちには,毎週,読みたいだけ(まだ読めない子は親に“読み聞かせてもらいたいだけ”)何冊でも貸し出しています。ビデオが好きな子にはビデオを,ビデオをあまり見る時間を取れない子には移動中に聞けるCDを貸し出したりもしています。

わたしが親対象の英語絵本よみきかせセミナーなどをやっているのも,それぞれのご家庭の中でも英語環境を作っていってほしいためです。*1なお,英語絵本よみきかせ入門セミナーでは,単なる「読み聞かせのテクニック」を教えるのではなく,英語いくじ(育児&育自)の一方法としての絵本のよみきかせを“中心とした”家庭での英語環境作りについて,わたしが学び,考え,実践してきたことをお伝えしています。

今回のセミナーに関して,そんなものを開いたら,みんな自宅で英語を学ばせるようになって,英語教室はあがったりじゃないの?……って,言われたこともあります。だけど,家庭と教室の役割は別々のもので,教室は家庭での学びを補助するものだとわたしは考えています。

つまり,本気で英語をやろうと思ったら,家庭で日常的に英語を学ぶ*2のは当たり前のこと。それに加えて“教室”という場を借りて,先生に新しいことを教えてもらったり,間違いを正してもらったり,学んだ英語を友達や先生相手に使ってみたりするのです。理想的には,英語教室は家庭における日々の学びを定着させる場であるべきです。

ん〜〜〜〜〜,つい熱くなってしまったわ……そもそもわたしは,自分の子どもに英語を身につけてほしいという願いが人一倍強いのかもしれません。だから人一倍いろんな教材や方法を試し,吟味してきた。そして,今は環境作りに取り組み始めている,とも言えます。

なぜって,英語はことばだから。ことばだということは,話す相手が必要です。だから,みんなで英語を使って何かをする(遊ぶ!)場を作っていきたい! それは英語教室だったり,パーティだったり,サマーキャンプだったり,いろんな形を採るかもしれないけれど,みんな最終的な目的はひとつなんです。

つまるところ,娘や彼女が一緒に生きていく次代の子どもたちに,より良い英語(学習)環境を与えてやりたいというのが,偽らざるわたしの気持ちです。

いい子ぶってる? いえ,こう見えてもけっこう,根はマジメなんですよ!!!?

*1:もうひとつの理由は,親が子どものために“犠牲になる”のは間違っていると考えているためです。子どもに英語環境を作ってやることが親の“義務”になるのではなく,親自身にとっても“楽しみ”になりうるような方法を考え抜いていった先に,英語絵本のよみきかせと多読があったのです。

*2:小さい子の場合,実際には,“学ぶ”というより“遊ぶ”のほうがしっくりくるのですが,とりあえず,こう言っておきます