秋からのレッスン

小3の女の子のママからレッスンをしてくれないかと頼まれたので、その子の友達と一緒に初学者用のクラスを新設することにした。小1の知り合いの子と一緒に教えようかと思ったら、小3の子のほうが嫌がる。そりゃそうだね、子どもにもプライドがあるんだから。

フランチャイズとしての英会話教室をやめようと決意してから、新しいテキストと副読本を模索してきた。いろいろ比べたけれど、結局、総合的な英語力をつけるためのメインテキストは、定評のあるOUP(オックスフォード大学出版)のLet's Goに落ち着いた。第2版までは絵柄が好きでなかったのだけど、今度出た第3版はぐっといいし、何よりも、パソコン用のCD-ROMがついているところが新しい。うちの娘を見ていても、今の子どもはこういうゲーム感覚のインタラクション型の教材を好んでやるし、効果も高いように思うからだ。(ただし目を悪くしないように、やりすぎには注意。)

そもそもLet's Goの著者仲田利津子先生が開発したMATメソッドと呼ばれる教授法は、A社のコースのひとつに採り入れられていたのでなじみがあった。だけど、このメソッドを中心に十分かつ効果的に教えられるほどのノウハウは得ていなかったので、この夏、しんどい思いをしながら東京通いを重ねてこの教授法を習得するセミナーに出てきた。キャンプ直前にどうにか大量の英文レポートも提出することができ、今は日英2つの団体からの免許皆伝を待っている。(この資格を得た人は今のところ北陸にはいないらしい。)

副読本のほうは、同じOUPのおなじみOxford Reading Tree(ORT)と、ScholasticやCTPの絵本シリーズ。正直なところ、Let's Goを見直す気になったのは、ORTが気に入ったからだ。昨日もORTのTeacher's Bookletを見直していたのだけど、いろいろ工夫することで膨らみをもたせることができる。(文字のところだけを、ただ読み飛ばしていてはもったいない。)ORTの絵本そのものを英語教材として使っているコースの採用も考えたが、学びやすいように現在形に直してあることや、学習内容の並びにいまひとつ納得がいかずにやめた。それに、たったひとつのキャラクターに頼る学び方は、わたしは好きではない。

Scholasticの絵本シリーズからは、Sight Word Seriesを採用している。(こちらも、いろんなサイトワードの本を見て悩んだけれど、結局、ワークブックの使いやすさと価格で、これに落ち着いた。)このシリーズは、レベル2の子は簡単に読めるので、「書く」ための訓練の導入としてワークブックを宿題用に使っている。新しく入ったレベル1の子には、英語を「聞き」「読む」導入としてレッスンの中にも組み込んでいきたいので、県庁前に新しくできたビーンズ(明文堂)で音声CDを購入してきた。3種類の音読が入っていた。1つ目は効果音付きの女性の声、2つ目は素読みで男性の声、3つ目はBGM付で女性の声。これは思わぬ拾いもので、レッスンの幅を広げられそうだ。音読のスピードもわたしの好みに合っている(つまり遅すぎない)。

他にビーンズでは、新しい子たちに小文字を学ばせるためのゲームカード(Go Fish)と、レベル2の子たちにサイトワードを定着させるための単語カードを購入してきた。このGo Fishのカードは、大文字と小文字に親子の動物の絵がそれぞれに書いてあるタイプで、これまた以前から各社のカードを引き比べて、小学生にゼロから小文字導入をするならこれと心決めしていたものだ。(ちなみに、うちの娘は赤ん坊の頃からアルファベット・パズルで遊び、Wee SingやDr. ScarryのABCの絵本やビデオなどを見ていたので、アルファベットは小文字まで早々に覚えてしまいました。フラッシュカードをめくって「教えこんだ」ことは一度もありません。)

わたしの教え方では、小学生の半ばから自力で英語の本を読めるようにしていくことを目標にしている。そこで、小学生だったら初学者にも、まず自分の名前を英語で読み書きできるようにするところから、アルファベットに関心を向けていくのだ。続いて曜日や日付。

曜日や月の名前は難しいと思う人が多いようだけど、「書く」のはなかなかできなくとも、サイトワードのような要領で「見て分かる」ようにはすぐになる。最初の頃、わたしは曜日や月の名前のカードを使って、たっぷりゲームをさせた。曜日や月の並び替えくらいなら、子どもたちはすぐにできるようになった。その一方、レッスンをするのは決まった曜日であることがほとんどなので、その曜日の言葉を覚えさせる。続いて毎回、日付をノートに書かせるようにする。"Thursday, August 16, 2007"という具合に、西暦まで入れてきっちりと。ここらへんは、インターナショナル・スクールの先生がやっていたことを借用している。続いて天気を書けるようにし、さらにその日にやったことを一文だけ。もっと書けるようになったら、もっと詳しく長く……という具合にジャーナル書きを学ばせ、さらにそれをお友だちに発表させるのだ。発表(プレゼンテーション)を、わたしは多用している。その効果もあって、娘たちは「読み聞かせ」をすることが大好きになった。聞くのではなく、生徒が他の生徒や大人に対して読むことが、どの子も大好き。

もうひとつは、フォニックスのレッスンだけど、これは以前も書いたことがあるし、今日は時間がなくなったのでいずれまた。そういえば、ママ向けレッスンの準備もしなければならないなぁ……。