MPIの考える多読

一昨日の松香さんの話を忘れないうちにメモしておきましょう。

もともとの演題だった「MPIの考える多読」の話題がお話に出なかったので、質疑応答で伺ってみたところ、松香さんから次の回答を得ました。

多読をする目的は、「プロソディーの確立」→「自立して読む」→「自分で読む(reading for information)」であり、具体的には「真似読」→「音読」→「黙読」の順に進めていく。

真似読とは、音源(CDなど)を真似て読む(暗唱する)ことだと考えてよさそうです。こうした進め方は、ほとんど、わたしがこれまでの「英語よみきかせ入門講座」で教えてきたこと、このブログで提唱してきたことと重なるので、ほっとしました。(というか、これ以外の流れを考えるのは難しいのですが。)

自分の娘を見ていても、最初はともかくも耳を作ることだよなぁ……と、しみじみ思わずにはいられません。松香さんも「いい音を聞かせる」「いい音を子どもに届ける」「いい音を子どもに真似させる」とくり返しおっしゃっていました。日本語とは全く違った英語の音声を聞き分ける力をつけておけば、後に英語を“学習”するようになったときに、俄然威力を発揮します。

単語を暗記したり、文法的に正しい文を話したりすること、それ自体を最初から目指す必要はないんです。関連がないままに、まる覚えしたものは、どうせほとんど記憶に残りません。それよりも生きている英語の音を“身体”に染みこませることです。質のよい英文をいっぱい聞かせていれば、いずれ語彙はついてくるし、英語を使う場面を与えてさえいけば、子ども自身が正しい言い方を模索し始めます。そのほうが教え込むよりも効果的だし、確実に身についていくように思います。