教材のもちぐされ

先日、某所で4、5歳の男の子を連れたママが「これからどうやって英語を入れていったらいいのか分からない」と嘆いているのを耳にした。「まだ焦ることないですよ」と声をかけたら、D社の教材を買ったはいいけど、使ったのは最初の頃ばかりで、最近は子どもがさっぱり見なくなった。何十万円もしたのに、どうしたらいいでしょう……といった話だった。

あまりにもよくあるパターン……。

わたし自身、娘がゼロ歳のときにH社の多言語セットをうん十万円で買ってしまったクチなので、そういう親を愚かだと頭から批判したいわけではない。(我が家のセットはクローゼットの奥に眠っている。)

むしろ、子どものために何かしてやりたいという親心につけこんで、大枚はたいて買わせておいて、ほとんど何もフォローアップしない企業のほうを批判したい。

今、高い英語教材を買うかどうか迷っている人へお伝えしたいこと。

その教材の「ほぼ未使用の中古」をしょっちゅうオークションで見かけませんか? 宣伝に出てくる「この教材でし英語がぺらぺらになった○○くん」以外に、「この教材でうちの子はしゃべれるようになった!」という事例を身近に聞いたことがありますか? たとえ家に買っておいても、“教材のもちぐされ”にしていたら、英語が使えるようにはなりません。それに、一種類の教材だけで子どもが「ぺらぺらになる」なんていうのは幻想です。

何十万円もかけるなら、その何分の一かで、いろんな教材、いろんな学習法を少しずつ試してみることで、自分の子に(自分の家の生活様式に)合ったものを探すことだってできるはず。

ぜひご再考を。