小学校の公開授業

ついさっき小学校の公開授業で6年生の英語(総合学習)を見てきた。上に書いていたこととのあまりにギャップに愕然として、ひとことだけ書きたくなってしまった。(こんなことをしている時間はないのだけれども……。)

今日のテーマは Is this a ----? と Is that a ----? の使い分けのようだった。担任の先生と英語のインストラクターの協力で、小道具を駆使して生徒の興味をつなごうとする努力はすばらしかったけれども、身近な名詞を当てさせるクイズなど、内容については6年生でそのレベルか……と愕然とさせられた。日付や曜日のスペルアウト、What day is it today?(今日は何曜日?)とWhat is the date today? (今日は何日?)という、今、うちの教室で2年生がやっていることを6年生でまだやっている。これでは、とてもじゃないけど、グレーディド・リーダーを読むどころではなさそうだ。

もちろん、なかにはこれくらいの英語は全部分かっている子が混じっていたに違いない。だけど、少なくとも今日のクラスでは、ずば抜けてできる子は一人も見当たらなかった。できる子は馬鹿らしくて先生の質問に答えないのかもしれない。だとしたら、そういう子たちにとって、あの授業は英語をつまらなくする阻害要因になっている恐れがある。(うちの子が今のペースで育っていったら、6年になったとき、ああいう英語の授業にどんな風に反応するものやら……そら恐ろしい。授業のボイコットでもするんじゃないだろうか。)

それでも、少し希望が見えることがある。日本人らしくない(というのも変な誉め言葉だけど)インストラクターの英語による指示を、ほとんどの子がすぐに理解していたらしいことだ。(担任の先生のほうが分かってなくて、生徒の質問に答えてインストラクターが、雑巾=rugと言ったのを何度も聴き返したり、ダンボール=cardboardを「へえ、カートボードって言うんですか?」と感心して繰り返していたので、見ていてはらはらした。)生徒たちのほうは、さすがに3年間以上、英語インストラクターに学んできたので、クラスイングリッシュには慣れているのだろう。(その割に生徒の発音が悪いことは気になったけど。)

もうひとつ感じたのは、30人以上のクラスではコミュニケーションとしての英語はなかなか練習できないということだ。ペアワークはあったけれども、あれだけではちゃんとした発話の訓練にはならず、「経験しました」程度でしかない。実際、教室では担任が「Is that...?の質問、ちゃんと言えた人〜?」と質問して手を上げさせただけで終わってしまっていた。あれじゃあ、でたらめをやっていても、誰もチェックできない。語学はやはり少人数教育が望ましい。6年生の子どもたちを間近に見ていて、やっぱり6人程度がベストだなと感じてしまった。

ああ、結局、ひとことでは終わらなかった。他にも思ったことは多々あれど、さっさと仕事に戻ろう。わたしはわたしで、最善を尽くすまでだ。

ただ、6年生のクラスを見学してきたことで、この子たちを救うために(というと大げさかもしれないけれど)やっぱり夏期講習の学年の幅は広げるべきだろうか……と考えてしまった。教科書の枠を外れることで*1、もっと楽しく、もっと生き生きとした英語を入れることが、できるんじゃないかなぁ……と思わずにはいられなかった。

*1:金沢市の小学校6年生は中1用のNew Horizonを使っている